Alfa Romeo F1 Team C42マシン紹介

サバイバルセル

ATL製燃料タンクと組み合わされた、アルファ ロメオ F1チームのカーボンファイバー製・複合構造のサバイバルセル。

セーフティ構造

貫通防止モノコック構造、衝撃吸収フロント・サイド・リア構造、主ロール構造(ロールフープ)、第二ロール構造(ハロ)

コックピット

特注のカーボンファイバー製コンポジットシートとサベルト製6点式セーフティハーネス

フロントサスペンション

カーボンファイバー製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション、プッシュロッド式 内部搭載型トーションスプリング、ロッカー、オーリンズ製ダンパーユニット

リアサスペンション

カーボンファイバー製ダブルウィッシュボーン式リアサスペンション、プッシュロッド式 内部搭載型トーションスプリング、ロッカー、オーリンズ製ダンパーユニット

ブレーキ

ブレンボ社製ブレーキキャリパー、カーボンファイバー製ディスク及びポッド、電動制御によるリアブレーキ

ステアリングシステム

カーボンファイバー製ラック&ピニオン式パワーステアリング

エレクトロニクス

FIA標準ECUを用いたFIA公認電子制御システム

パワーユニット

フェラーリ製 V6ハイブリッドターボシステム

エネルギー回生システム

電動モータージェネレーターユニットを介した、フェラーリ製ハイブリッドエネルギー回収システム

ギアボックス

アルファ ロメオ F1チームによるカーボンファイバーのメインケースと、前進用8段・後退用1段にセットされたフェラーリ製カセット

ギアセレクション

シーケンシャル、セミオートマチック

クラッチ

カーボン複合素材

ホイール

BBS製18インチホイール

タイヤ

ピレリ製

01
795kg
ドライバーを含む最低重量
>5,500 mm
全長
2,000 mm
全幅
970 mm
全高
≤3,600 mm
ホイールベース

C42

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サバイバルセル

サバイバルセルは、F1マシンの中核を成すものであり、現代のF1では、群を抜いて最も複雑な構造物と言えるだろう(訳註: サバイバルセルは、一般的な自動車の「シャシー」に相当する部分を指す。F1の場合、燃料タンクやコックピットなども含め、全てが一体型の構造となっており、安全性、衝撃耐久性といった面から、非常に複雑な構造となっている)。2022年モデルのF1マシンでは、史上最も安全なサバイバルセルを目指した開発が行われている。

サバイバルセルは、サンドイッチ構造のカーボン複合素材で製作されている。マシンの重量に対する剛性に優れ、その全体構造に非常に堅固な作りを与えている。また、サバイバルセルは、ドライバーのコックピットエリアも含み、エンジンとギアボックスを守るため、調整された方向と協調部分で、6ヶ所が留め具で固定されている。2020年にバーレーンで起こったハース(当時)のロマン・グロージャンの衝撃的な事故を受け、大クラッシュの際、燃料タンクがシャシーから取り外されるようにするなど、新たな安全基準が設けられている。

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パワーユニットとギアボックス

ハイブリッド方式によるF1時代を迎え、メインのパワーユニットは、シングルターボチャージャーを備えた1.6L V6エンジンが搭載されている。サーキットのラップ中には、MGU-K(運動エネルギー回生システム)とMGU-H(排気熱エネルギー回生システム)という、2種類のエネルギー回生システムを使用してバッテリーを充電することが可能。この充電により、120kWの電気モーターを駆動させる。ギアボックスは、前進8段・後退1段で構成。

2022年からは規定により、使用する燃料の少なくとも10%がバイオエタノールであることが求められており、F1もサステナブルな環境を目指した競技に変化してきている。

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タイヤ

2022年は、タイヤにとっても大きな変化の年となった。昨シーズンまでの13インチに代わり今シーズンを通して用意されるのは、新規開発されたピレリ社の薄型18インチタイヤ。この変更は、一般のドライバーが使用する自家用車のタイヤの開発データを得る上でも非常に重要な要素でもある。F1唯一の公認タイヤ供給メーカーであるピレリ社では、タイヤが大きくスライドした時のオーバーヒートを避けるため、新たな合成素材とタイヤ構造の研究が盛んに行われている。

スペック

項目 仕様
サバイバル・セル ATL製燃料タンクと組み合わされた、アルファ ロメオ F1チームのカーボンファイバー製・複合構造サバイバルセル
セーフティ構造 貫通防止モノコック構造、衝撃吸収フロント・サイド・リア構造、主ロール構造(ロールフープ)、第二ロール構造(ハロ)
コックピット 特注のカーボンファイバー製コンポジットシートとサベルト製6点式セーフティハーネス
フロント・サスペンション カーボンファイバー製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション、プッシュロッド式 内部搭載型トーションスプリング、ロッカー、オーリンズ製ダンパーユニット
リア・サスペンション カーボンファイバー製ダブルウィッシュボーン式リアサスペンション、プッシュロッド式 内部搭載型トーションスプリング、ロッカー、オーリンズ製ダンパーユニット
ブレーキ ブレンボ社製ブレーキキャリパー、カーボンファイバー製ディスク及びポッド、電動制御によるリアブレーキ
ステアリング システム カーボンファイバー製ラック&ピニオン式パワーステアリング
エレクトロニクス FIA標準ECUを用いたFIA公認電子制御システム
パワーユニット フェラーリ製 V6ハイブリッドターボシステム
エネルギー回生システム 電動モータージェネレーターユニットを介した、フェラーリ製ハイブリッドエネルギー回収システム
ギアボックス アルファ ロメオ F1チームによるカーボンファイバーのメインケースと、前進用8段・後退用1段にセットされたフェラーリ製カセット
ギアセレクション シーケンシャル、セミオートマチック
クラッチ カーボン複合素材
ホイール BBS製18インチホイール
タイヤ ピレリ

ディメンション&車両重量

項目 寸法/重量
全長 >5,500 mm
全幅 2,000 mm
全高 970 mm
ホイールベース ≤3,600 mm
車重(ドライバーを含む最低重量) 795kg

フェラーリ製パワーユニット

項目 仕様
形式 V6 バンク角90度
排気量 1,600 cc
ボア 80 mm
ストローク 53 mm
バルブ数 シリンダーあたり4
ターボチャージャー シングルタービン、コンプレッサー
最大燃料流量 100 kg/h
インジェクション 500 bar/直噴式

フェラーリ製エネルギー回生システム

項目 仕様
構造 MGU-H(排気熱エネルギー回生システム)とMGU-K(運動エネルギー回生システム)による発電ユニットを介した、フェラーリ製ハイブリッドエネルギー回生システム
蓄電池 リチウムイオンバッテリー ≧20kg
最大回生エネルギー量 4 MJ/周
MGU-K(運動エネルギー回生システム)最高出力 120 kW (161hp)
MGU-K(運動エネルギー回生システム)最高RPM 50,000 rpm
MGU-H(排気熱エネルギー回生システム)最高RPM 125,000 rpm