ALFA ROMEO
歴代エンブレム ヒストリー

アルファ ロメオ伝統のエンブレム。
見たものに忘れ得ぬ印象を残すこの紋章は、
栄光の歴史を見守り続けてきた、
気高き魂の象徴である。
アルファ ロメオは、創立112周年を記念して
このエンブレムを伝統の図柄に取り入れた
九谷焼のぐい吞みを限定作成。
ここでは、9代におよぶ
エンブレムの変遷をたどりながら、
イタリアの情熱と日本の匠が生んだ
逸品をご紹介していく。

【 画像をクリックすると解説を表示します 】

1910年度 エンブレム

1910

ミラノの紋章にある赤十字。ミラノ公を輩出したヴィスコンティ家の家紋である、
人を飲み込む大蛇(ビショーネ)。そして、イタリア王国、
サヴォイア家の家紋の結び目。これらを組み合わせた初代エンブレム。
これはアルファ ロメオの礎を築いた名エンジニア、ジュゼッペ・メロージの
統括のもと、部下のロマーノ・カッターネオが原案を手がけたものである。

Contesto Storico

A.L.F.A.(Anonima Lombarda Fabbrica Automobili=ロンバルダ自動車製造有限会社)は第1号モデル「24HP」を開発し、誕生翌年からレース活動を開始。順風満帆に思えた船出だったが、わずか数年にして暗雲が立ち込める。1915年にイタリアが第一次世界大戦に参戦したことで販売は低迷、財政状態は悪化する。危機的状況を迎えたA.L.F.A.の前に現れたのは、ニコラ・ロメオその人だった。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1910年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1910年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:赤絵小紋
赤絵小紋は、赤を主体に繊細な線描で小紋柄をデザインした文様。小紋には青海波や七宝紋、菱形紋の縁起の良い柄が使われている。

1919年度 エンブレム

1919

ナポリ近郊サンタンティモ出身の実業家、
ニコラ・ロメオがA.L.F.A.の経営権を握り、現在のALFA ROMEOに改称。
こうして2代目となるエンブレムが登場した。ROMEOが加えられた
ブランドネームは、初代のゴールドから白抜き文字であしらわれることになった。

Contesto Storico

ニコラ・ロメオは機械/電気工学の学位を取得後、エンジニアとしての経験を積んでいるように、自動車に精通したビジネスマンでもあった。スポーツカーという概念すらなかったこの時代に「高性能グランツーリズモ」をクルマ作りのテーマに据えたこと。ブランドの名声を高めるため、レースでの勝利にこだわったこと。こうしたニコラ・ロメオのビジョンは、まさにイノベーティブなものであった。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1919年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1919年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:青手梅紋
青手は、緑の色絵の具を印象的に配色して、絵付けされたスタイルのこと。素地の余白をほとんど余すことなく、器全体に色絵の具を鮮やかに塗る「塗り埋め」も青手の特徴。
1919年のエンブレムと合わせて「豊かな生活」の花言葉を持つ梅がデザインされている。

1925年度 エンブレム

1925

この年初開催された「自動車世界選手権」を
アルファ ロメオが制覇したことを記念して、3代目エンブレムが登場した。
エンブレム周縁に勝利の象徴である月桂樹のモチーフがここで初めて登場。
以降、7代目のエンブレムまで用いられ続けていくこととなる。

Contesto Storico

20世紀の幕開けとともに仏で始まったグランプリレースは、この頃から各国でも開催されるようになる。 自動車はごく限られた層に向けられた贅沢品だったこの時代。メーカーにとってレースとは、顧客たちに優位性をアピールする重要な場であった。アルファ ロメオは、1925年に開催された史上初の統一王者選手権「自動車世界選手権」を制覇。以降、歴史に残る勝利を積み重ねていく。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1925年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1925年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:吉田屋万年青
吉田屋万年青は、吉田屋窯の特徴である黄色を主に全面を埋めた作品。「万年青」は、子孫繁栄などの縁起の良い絵柄とされている。

1946年度 エンブレム

1946

第二次世界大戦後にイタリア王政が廃止、
共和国制への移行を機に登場した4代目のエンブレム。
地色は赤に、サヴォイア家の家紋の結び目は波線に変更された。
これは当時イタリア産業復興公社(IRI)の傘下にあったアルファ ロメオが、
国家の変化と足並みを揃えたものだと考えられる。

Contesto Storico

ミラノのポルテッロ工場が三度にわたって空襲を受けるなど、第二次大戦で壊滅的な打撃を受けたと思われたアルファ ロメオ。だが、終戦直後から1938年製のTipo 158 “アルフェッタ”でレース活動を再開させている。この“アルフェッタ”は、空襲を避けるためにミラノ周辺の地域へ運び出され、秘密裏に隠されていたものである。戦火にも屈することのなかった、不滅の情熱がそこにはあった。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1946年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1946年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:赤地黄彩唐草紋
赤地黄彩唐草紋は、室町時代から伝わる牡丹唐草文様を使い、デザインした文様。牡丹は幸福を意味し、ツタは永遠に続くことから吉祥文様として縁起の良い絵柄とされている。

1950年度 エンブレム

1950

アルファ ロメオが、量産メーカーへとシフトしていく嚆矢となった
新型サルーン「1900」がこの年登場。
この重要なトピックとともに登場した5代目のエンブレムは大きな変化を見せた
4代目から、再び戦前のイメージに近いデザインアプローチへと回帰する。

Contesto Storico

アルファ ロメオが史上初のF1グランプリを制覇した1950年のもう1つの重要なトピック。それは、当時の中型車需要に応えて初のライン生産が行われた「1900」の登場である。レーシングカー譲りのテクノロジーを備えながら、高価すぎない価格設定から「1900」はヒットを記録。「レースに勝てるファミリーカー」という当時のキャッチフレーズは、そのアイデンティティを端的に言い表していた。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1950年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1950年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:宝づくし
宝づくしは、宝物である小槌や巾着などを用いた吉祥文様。1950年のエンブレムに九谷五彩を合わせ、華やかに仕上げられている。

1960年度 エンブレム

1960

それまでのメタルからプラスチックが採用された6代目のエンブレム。
5代目のデザインと同様のモチーフでまとめながら、
周縁の月桂樹がゴールドからシルバーへと変化している。

Contesto Storico

モータリゼーション華やかりしこの時代。「ジュリエッタ」は、ブランド史上最大のヒットを記録していた。市場における地位とブランドイメージを確立したアルファ ロメオはこの年、ミラノ近郊のアレーゼで新工場建設をスタートさせている。1963年の竣工後、生産された「ジュリア」は数々のバリエーションが製造され「ジュリエッタ」を超える大ヒットとなった。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1960年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1960年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:石畳紋
石畳紋は、古九谷の特徴的な意匠の一つ。この幾何学模様の中に小紋で変化をつけ、九谷五彩と呼ばれる青・赤・紫・紺青・黄色の伝統色で彩色。中央に鳳凰が二羽向かい合って配置された図案は、一年のはじまりを祝う縁起の良いデザインとなっている。

1972年度 エンブレム

1972

7代目エンブレムから「MILANO」の文字が消える。これはイタリアの国策により
新設されたナポリ工場で「アルファスッド(スッドは南の意)」の製造を前年から
開始したことに因んでいる。ALFAとROMEOの間にあったハイフンもなくなり、
全体のデザインもよりモダンなものへと変化した。

Contesto Storico

この年、アルファ ロメオは新型スポーツサルーン「アルフェッタ」を発表。ギアボックスとクラッチを後輪側に配置したトランスアクスルのレイアウトやド・ディオン・アクスルの後輪サスペンションを採用。前後重量配分50:50を実現するなど、レーシングカー由来の野心的な設計が施されていた。この革新的プラットフォームは90年代まで生産された「SZ/RZ」まで、実に20年に渡り受け継がれていった。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1972年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1972年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:古九谷風松竹梅
古九谷の画風の一つである余白を生かした構図でデザイン。松竹梅は、古くから縁起の良い柄としてよく知られており、日本人にも親しみ深い図柄となっている。

1982年度 エンブレム

1982

アルファ ロメオ史上最長の30年以上にわたって
採用され続けてきた8代目のエンブレム。
1925年の3代目以降、長らく用いられてきた月桂樹のモチーフが
ここからなくなり、ALFA ROMEOの文字はゴールドに変化した。

Contesto Storico

アルファ ロメオは、1976年よりF1に本格復帰。79年からは自社開発のF1マシンでグランプリ挑戦を続けていた。82年は「179D」「182」「182B」という3リッターV12エンジンを搭載した3台のマシンと、アンドレア・デ・チェザリス、ブルーノ・ジャコメリというドライバー陣でエントリー。第3戦のアメリカ西GPではポールポジションを、第6戦モナコGPでは3位を獲得している。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 1982年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 1982年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:赤絵丸紋
赤絵丸紋は、赤を主体に色絵を配置した文様。丸紋には「高貴」の花言葉を持つ菊の花をイメージしたデザインが施されている。

2015年度 エンブレム

2015

ブランド創立105周年の節目に登場した9代目のエンブレム。
長らく青と白を用いていた中央の地色はシルバーの一色に。
ブランド名の書体も変わり、ビショーネが飲み込む人の色や
王冠のデザインにもモダンなリファインが施された。

Contesto Storico

「新型車発表。2015年6月24日、アレーゼに集結せよ。」世界中から選ばれた100名のジャーナリストを招き、新型「ジュリア」が発表された。20数年ぶりの量産FRモデルであり、アルファ ロメオを代表するビッグネームの復活。 当時FCAのCEOであった故セルジオ・マルキオンネは「このジュリアこそ、アルファ ロメオの、本物のDNAを現代に伝えるモデルなのだ」と、高らかに宣言した。

アルファ ロメオ オリジナル
ぐい呑み 2015年

アルファ ロメオ オリジナル ぐい呑み 2015年
※写真は実物と異なる場合があります。

和柄の文様:小紋柄青海波
小紋柄青海波は、広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄のこと。無限に広がる波の文様に未来永劫へと続く幸せへの願いと、人々の平安な暮らしへの願いが込められている。